
イギリスの文化
お茶の文化
イギリス人は1日6~7杯の紅茶を飲みます。 イギリスの代名詞といっても過言ではない紅茶の文化。 ここではその紅茶について説明します。 【薬として飲まれ始めた紅茶】 イギリスのお茶の文化は16世紀中ごろに始まります。 ヨーロッパの各国がアジアから薬として茶葉を輸入したことがきっかけでした。 当初、コーヒーが広く飲まれていたイギリス。 コーヒービジネスで成功したオランダによって淘汰される形でコーヒー文化が衰退していきました。 その後中国から茶の輸入を開始すると、茶は社交場で薬として飲まれました。 次第に貴族の間で砂糖を入れた「飲み物」としてのお茶が嗜まれるようになります。 まだ茶も砂糖も高級な輸入品だった時代です。

当時1日2食だけの食事の間の16時ごろに
小腹を満たすためにパンとお茶をとったことから普及していきました。

登場人物の性格やこだわりを表す一つの方法として
「お茶の淹れ方」が登場するぐらいです。 It’s not my cup of tea.(私の好みじゃない)などのように
teaを使った慣用表現や引用句がたくさんあるのも面白いです。 イギリスにそれほどまでに根付いた紅茶の文化。 高級ティーラウンジで味わうアフタヌーンティーもあれば
ホストファミリーと味わう家庭の味も。
移民文化
意外かもしれませんが「イギリス」と「移民」は切り離して考えることができません。 街を歩けば、いろんな肌の人を見ることができます。 ここでは移民の歴史と現代のイギリスについて説明します。 イギリスでは
17世紀~19世紀末に栄えた植民地文化の影響もあり
多くの国からの移民を受け入れてきました。 今日では「移民問題」がイギリスの頭痛の種だと
ネガティブなイメージが先行しているようですが
地下鉄などの大掛かりな工事にも多くの移民が関わり
彼らなくしてイギリスの文明開化はありえませんでした。 移民が多く住む都市や地域では
彼らの持ち込んだ文化が土着の文化と合い交わって新たな文化となります。 それはまた、街の形成や雰囲気に大きな役割を果たしてきました。

ロンドン・イーストエンドなどの地域が
近年アーティストなどからの支持を受け
活気に満ちたファッショナブルな街として新たに注目されています。 ↓こんな風に壁画グラフィックをあちこちで見ることができます。 観光客もシャッターを切るのに忙しく歩いています。

週末ともなるとマーケットが開催されるなど
ロンドン中心部やカントリーサイドとは異なる雰囲気を楽しめます。

それぞれがイギリスの文化に溶け込んでいます。 イギリス国籍を取得した彼らは
一人一人が現代のイギリスを担う「イギリス人」なのです。 これからホームステイをする留学生の中には
ひょっとすると、
「イギリス=肌の白い人々が多く暮らす国」というイメージがあるかもしれません。 しかし、それは間違いです。 アジア系、アフリカ系、ヨーロッパ系、
様々な文化的・社会的背景を持った人々が暮らしている国、
それがイギリスです。 ホストファミリーのバックグラウンドも然り。 日本では私たちのほとんどが同じ容姿(肌の色、髪の色、目の色)。 だからか、人種差別的な表現や発言には疎いのが現状です。 しかし、海外に行くとそうはいきません。 どんな些細な発言もタブーです。 ホームステイ先のリクエストの際も
そのようなことを学校に伝えるだけで大問題へと発展しかねません。 それくらい人種や階級に関する発言には十分な注意が必要です。 もちろん、留学中もこの心がけを忘れないようにしましょう!
音楽文化
イギリスを好きになったきっかけが「音楽」、という方も多いのではないでしょうか? ビートルズやローリングストーンズを生み出したイギリス。 毎年、各地で野外音楽フェスティバルが開催され多くの人で賑わいます。 ビートルズ以降80年代~90年代にはFactoryというレーベルを中心に
マンチェスターミュージックが盛り上がりを見せます。 これ以降、地域の特徴を持った音楽が次々と生まれました。 反骨精神をむき出しにしたパンクロック。 音楽のみならずファッションにも大きな影響を与えました。 イギリスでは幼いころから音楽に親しむチャンスが多くあります。 日本より「音楽」が身近なところにある、と言ったほうが分かりやすいでしょうか? と言うのも、
ピアノはもちろんフルートやチェロ、
クラリネットなど、様々な楽器の個別レッスンが
学校の放課後に受けられます。 楽器は貸してもらえることも多く、
誰もが気軽に音楽を楽しんでいるんです。 クールでヒップなUK音楽は
イギリス人のみならず世界中を魅了する音楽なのです。

ファッション文化
イギリスのファッションというと、まず浮かぶのは何でしょう? イギリスでは- ヴィヴィアン・ウエストウッド
- ジョン・ガリア―ノ
- アレキサンダー・マックイーン
- ステラ・マッカートニー
- ポール・スミス
デザイナーの多くは
ロンドンではなくフランスやイタリアなどの外国を拠点に活躍しています。 彼らの作品には
イギリス人の反骨精神が多く反映されており、
この作風は世界のファッションを支えています。 イギリス人の各圧力に抵抗する力が
ブリティッシュファッションをも育ててきました。 特にロンドンは多種多様な民族が共存する多文化都市。 これはロンドンのファッションにも影響を与えています。 ガリアーノやマックイーンを輩出した
ロンドンのアートカレッジ、セント・マーティン校には世界中から生徒が集まってきます。 一方で、イギリスの紳士服オーダーメイド。 その伝統と歴史は今なお健在です。 ロンドンメイフェアにある
サヴィル・ロウは名だたる紳士服専門店が軒を連ねるエリア。 仕立ての良いスーツからパンクファッションまで
イギリスの伝統と革新の共存は
ファッションにおいても垣間見ることができます。 そうは言っても実際多くのイギリス人は
流行にはあまり振り回されないライフスタイルを貫いている気がします。 質の良いものを上手に長く使う
そういう姿勢がファッションにも投影されています。

ガーデニング文化
1年を通じて雨の多いイギリスは植物にとって最適な環境です。 イギリス人成人の半分以上がガーデニングを楽しみその率は年齢が高くなるにつれ増えていきます。 チャールズ皇太子のガーデニング好きは有名な話。 TetburyにはHighgrove Gardenというプライベートガーデンを持っているほどです。 フランス式庭園において人工美が称賛されるのとは逆に
イギリスの庭園”イングリッシュガーデン”では
自然美を取り入れた大自然の優美さが大切にされています。 毎年5月には王立園芸協会(RHS)主催のもと
RHS Chelsea Flower Showが行われています。 この他にも、
- ビクトリア朝の温室でも有名なキューガーデン
- 熱帯雨林が再現されたコーンウォールのエデンプロジェクト
21世紀を象徴するランドマークでは
全国2000件以上の応募の中からエデンプロジェクトが1位に輝きました。 イギリス庭園の美しさは
何気ない軒先のハンギングバスケットの花々や
開けた丘の上に咲く花々にあるのかもしれません。 夏であれば
パブや街の至る所にかわいらしい花々を見ることができるでしょう。 それこそ各学校の軒先にだって
留学生を出迎えてくれる草花があるはずです。
